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港則法について
港則法は、港内における船舶交通の安全及び港内の整とんを図ることを目的とした法律です。港内においては、多くの大小の船舶が狭い水域で輻輳して航行し、また停泊することから港外より航行上の危険が多いため、この危険防止のため港内でのルールが定められています。
- 港則法の適用される港・・・港則法施行令別表第1に規定された港
港則法の許可・届出等手続きについて
港則法において、以下の場合は港長の許可または港長への届け出が必要です。
手続き | 内容 |
許可 | 特定港において危険物の積込、積替または荷卸をする場合 |
特定港内または特定港の境界附近で工事または作業を行う場合 | |
特定港内において端艇競争その他の行事を実施する場合 | |
特定港の港則法施行規則別表第3で定める区域内において長さが同表で定める長さ以上である船舶を進水させ、またはドツクに出入させようとする場合 | |
特定港内において竹木材を船舶から水上に卸そうとする者及び特定港内において筏(いかだ)を係留し、または運行しようとする場合 | |
届出 | 特定港への入港、特定港からの出港する場合 |
特定港内において、汽艇等以外の船舶を修繕し、または係船する場合 |
特定港
喫水の深い船舶が出入できる港または外国船舶が常時出入する港で、港則法施行令別表第2で定める港
汽艇等
汽艇(総トン数20トン未満の汽船)、艀(はしけ)及び端舟その他櫓櫂(ろかい)のみをもって運転し、または主として櫓櫂をもって運転する船舶
- 港則法の許可・届出等についての詳細は、お近くの海事代理士にお問い合わせください。
港内における交通ルール
港内においては、大小さまざまな船舶が航行するため事故を避けるため交通ルールがさだめられています。主なルールは以下のとおりです。
- 汽艇等以外の船舶は、特定港に出入し、または特定港を通過するには、港則法施行規則別表第2で定める航路によらなければならない。(海難を避けようとする場合その他やむを得ない事由のある場合は除く)
- 航路内においては、以下の場合を除いては、投錨し、または曳航している船舶を放してはならない。
- 海難を避けようとするとき。
- 運転の自由を失ったとき。
- 人命または急迫した危険のある船舶の救助に従事するとき。
- 港長の許可を受けて工事または作業に従事するとき。
- 航路外から航路に入り、または航路から航路外に出ようとする船舶は、
- 航路を航行する他の船舶の進路を避けなければならない。
- 航路内においては、並列して航行してはならない。
- 航路内において、他の船舶と行き会うときは、右側を航行しなければならない。
- 航路内においては、他の船舶を追い越してはならない。
- 航路内においては、以下の場合を除いては、投錨し、または曳航している船舶を放してはならない。
- 船舶は、港内及び港の境界附近においては、他の船舶に危険を及ぼさないような速力で航行しなければならない。
- 帆船は、港内では、帆を減じまたは引船を用いて航行しなければならない。
- 船舶は、港内においては、防波堤、埠頭その他の工作物の突端または停泊船舶を右舷に見て航行するときは、できるだけこれに近寄り、左舷に見て航行するときは、できるだけこれに遠ざかって航行しなければならない。
- 船舶は、港内においては、防波堤、埠頭その他の工作物の突端または停泊船舶を右舷に見て航行するときは、できるだけこれに近寄り、左舷に見て航行するときは、できるだけこれに遠ざかって航行しなければならない。
これ以外にも港内における船舶の安全な航行を確保するため、様々なルールが定められています。
港内を航行する際は十分にご注意ください。
港の安全確保に関するルール
港則法には、水路を維持し船舶の航行の安全を確保するためのルールが定められています。
主な規定は以下のとおりです。
- 何人も、港内または港の境界外1万メートル以内の水面においては、みだりに、バラスト、廃油、石炭から、ごみその他これに類する廃物を捨ててはならない。
- 航行中の長さ7メートル未満の帆船及び櫓櫂(ろかい)を用いている航行中の船舶は、海上衝突予防法に定める灯火を表示している場合を除き、港内においては白色の携帯電灯または点火した白灯を周囲から最も見えやすい場所に表示しなければならない。
- 船舶は、港内においては、みだりに汽笛またはサイレンを吹き鳴らしてはならない
- 船舶交通の妨げとなるおそれのある港内の場所においては、みだりに漁労をしてはならない。
- 港内または港の境界附近における船舶交通の妨げとなるおそれのある強力な灯火をみだりに使用してはならない
- 港内においては、相当の注意をしないで、油送船の付近で喫煙し、または火気を取り扱ってはならない。
これ以外にも港内における様々なルールが定められていますので、十分に留意ください。
海上交通安全法について
海上交通安全法は、船舶交通が輻輳(ふくそう)する海域における船舶交通について、特別の交通方法を定めるとともに、その危険を防止するための規制を行なうことにより、船舶交通の安全を図るために定められています。
適用海域は、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海のうち、以下の区域を除いた海域です。
- 港則法に定める港の区域
- 1.以外の港湾法に定める港湾区域
- 漁港漁場整備法に定める漁港区域
- 陸岸に沿う海域のうち、漁船以外の船舶が通常航行していない海域(海上交通安全施行令第2条に定める海域)
また、適用海域には航路が定められており、それぞれ交通ルールが定められています。
航路
浦賀水道航路・中ノ瀬航路・伊良湖水道航路・明石海峡航路・備讃瀬戸東航路・宇高東航路・宇高西航路・備讃瀬戸北航路・備讃瀬戸南航路・水島航路・来島海峡航路
航路における航法
海上交通安全法に定める航路においては、船舶の交通ルールが定められています。
一般的航法
1 | 避航等 | 航路に出入りまたは航路を横断する船舶は、航路を航行している船舶の進路を避けなければならない(航路の優先航行権) |
2 | 航路航行義務 | 長さ50m以上の船舶は、航路を航行しなければならない |
3 | 速力の制限 | 航路内の定められた区間においては、12ノット以上で航行してはならない |
4 | 追越し信号 | 他船を追い越す場合は、汽笛により信号をしなければならない |
5 | 追越しの禁止 | 航路内の定められた区間においては船舶の追い越しをしてはならない |
6 | 行先の表示 | 航路の出入りまたは用談においては、汽笛等でその行先を表示しなければならない |
7 | 航路の横断方法 | 航路を横断する際は、航路に対しできる限り直角に近い角度で、すみやかに横断しなければならない。 |
8 | 航路への出入または航路の横断の制限 | 見通しの悪い場所、船舶の交差する場所等においては、船舶は航路の出入りまたは横断をしてはならない |
9 | 錨泊の禁止 | 航路内では、錨泊をしてはならない。 |
10 | 航路外での待機 | 危険を防止するため海上保安庁により航路外での待機を支持された場合はその指示に従わなければならない。 |
- 上記以外にも、それぞれの航路において通航分離が定められているのでご留意ください。
- 巨大船、危険物積載船、巨大物件えい航船等においては通航方法に別途規制があるのでご留意ください。
- 航路以外の狭い水道においては海上保安庁の定める経路を航行しなければなりません。
上記以外にも海上交通の安全を確保するため、灯火や標識等さまざまな規則が定められています。船舶の航行においては、十分にご留意ください。
危険の防止について
- 航路またはその周辺海域において、工事や作業を行いまたは工作物を設置する場合は、海上保安庁の許可が必要です。
- 航路またはその周辺海域以外において、工事や作業を行いまたは工作物を設置する場合は、海上保安庁の届出が必要です。
- 海難が発生した場合、船長は標識の設置等の応急措置をとり、海上保安庁に通報しなければなりません。
- 海上保安庁への許可、届出等の手続きについては、お近くの海事代理士にお問い合わせください。