港湾運送について

 港湾運送事業法における港湾運送とは、他人の需要に応じて、港内および指定区間において、船舶への貨物の積卸し等を行なう荷役、貨物の仕分け等を行なう上屋への搬出入、保管、船積み貨物の重量の検査や証明等の行為を行なうことです。
 なお、営利の有無は問われないため注意が必要です。

 港湾運送事業法には、港湾運送事業として、一般港湾運送事業、港湾荷役事業、はしけ運送事業、いかだ運送事業、検数事業、鑑定事業、検量事業の7事業を定めています。
 また、港湾運送事業の補助的事業として、港湾運送関連事業(船荷の固縛事業、船荷の梱包事業、船倉内清掃事業、警備事業)が定められています。

 港湾労働者(港湾荷役作業員)とは、港で船の荷物の積み下ろし作業や、運搬の作業を行う労働者です。
 港湾荷役作業員には、船内荷役作業員、沿岸荷役作業員などの種類があります。
 港湾労働者は、一般労働者派遣事業による派遣はできません。
 港湾労働者派遣事業の許可を保有する港湾運送事業者からの派遣および港湾労働者雇用安定センターからの派遣のみ認められているため注意が必要です。
 なお、港湾労働者として港湾において作業に従事するためには、港湾労働者証の保有が必要です。

 指定港湾における港湾運送事業については、港湾ごと、事業の種類ごとに許可が必要です。
 雇用する港湾労働者の数や下請け制限等、様々な規制があります。
 また、運賃料金の届出等も必要ですのでご留意ください。

 港湾とは、一般的には船舶の停泊,荷の積み降ろし,乗客の乗降などのために,風や波や潮流を遮蔽した水域をいいます。
 港湾運送事業における「港湾」とは、港湾運送事業法により指定された93港を指し、一種港、二種港、三種港に区分され、それぞれ施設、労働者数及び取扱貨物量の規模など許可基準が定められています。
 なお、「港湾」については、港湾法、港湾労働法、港則法、関税法等法律によりそれぞれ定義が異なるので注意が必要です。

 指定区間とは、国土交通省令で定める港湾と港湾又は場所との間を指し、具体的には港湾運送事業法施行規則の別表1に定められています。
 指定区間における艀(はしけ)及び引き船による艀(はしけ)又はいかだの曳航は、港湾運送事業に該当します。
 内航海運業ではないため、注意が必要です。

 港湾運送事業法に定める港湾又は指定区間における事業を行う場合は、許可が必要です。
 最寄りの港が、上記港湾又は指定港であるか否か、ご確認ください。