海技士免許

大型船舶に乗り組むためには

 大型船舶(総トン数20トン以上の船舶)の船員の乗り組み体制は、船舶の運航を担当する甲板部、機関の運転・整備を担当する機関部、他船や陸上との通信を行う通信部に分かれていて、各部門は船舶職員及びそれを補佐する部員で構成されています。船舶の大きさや航行区域等によって、乗り組む船舶職員の免許の種類や人数が決まります。船舶職員(船長、航海士、機関長、機関士等)として乗り組むためには、海技士の免許を取得する必要があります。

海技士(航海) 1級 2級 3級 4級 5級 6級
海技士(機関) 1級 2級 3級 4級 5級 6級
海技士(通信) 1級 2級 3級
海技士(電子通信) 1級 2級 3級 4級

 海技士国家試験は、全国の地方運輸局において年4回(2月、4月、7月、10月)実施される定期試験と、必要に応じて実施される臨時試験の二種類があり、試験は資格別に、学科試験(筆記試験と口述試験)と身体検査が行われます。
 受験要件は以下のとおりです。

  1. 受験するための年齢制限は航海及び機関についてはありませんが、通信及び電子通信については試験開始期日の前日までに17歳9月に達していなければなりません。
  2. 受験するためには一定の乗船履歴を有していなければなりません。また乗船履歴については次のいずれにも該当することが必要です。
    1. 15歳以上の履歴であること
    2. 受験する資格にかかる職務の履歴であること
    3. 試験開始期日から5年以内の履歴が1日以上あること

試験期日や手続き方法について、詳しくはお近くの海事代理士にお問い合わせください。

 更新手続きは有効期間満了日の1年前から行うことができます。手続きをする期間によって延長される有効期間が異なります。

  1. 有効期間満了日の1年前〜6か月前までに申請する場合→ 更新日(交付日)より5年間
  2. 有効期間満了日の6か月前〜満了日までに申請する場合→ 有効期間満了日より5年間

 更新するためには、事前に国土交通大臣が指定する医師(指定医)による身体検査を受診することのほか、次のいずれか1つの更新要件を満たすことが必要です。
→全国の指定医はこちら(https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_fr4_000009.html)

  1. 乗船履歴・・・総トン数20トン以上の船舶に船舶職員として乗り組んだ履歴が、有効期間満了日以前5年間で1年以上あること、または更新の申請をする日以前6か月以内に3か月以上乗り組んだ履歴を有すること。
  2. 同等業務経験による認定・・・船舶職員としての乗船履歴を有する者と同等以上の知識及び経験を有すると認定されること。例えば甲板部や機関部の当直部員としての乗船履歴が、有効期間満了日以前5年間で2年以上あるものは、同等業務経験認定により更新要件を満たします。
  3. 更新講習・・・更新講習を受講すること。

乗船履歴の確認や講習の申し込み、手続きの依頼などは、お近くの海事代理士にお問い合わせください。

 有効期間満了日が経過し失効してしまった海技免状の再交付を希望する場合は、失効再交付講習を受講してから再交付申請を行う必要があります。
講習の申し込みその他ご依頼等、詳しくはお近くの海事代理士にお問い合わせください。

 乗船履歴による限定または航海士であって能力(ECDISに関する知識及び技能)による限定を付されている海技免状の限定解除を希望する場合、海技免許限定解除(変更)申請を行う必要があります。

  1. 能力(ECDIS)限定解除を行う場合、ECDIS講習修了証明書(または、平成26年4月1日以前に同等課程を修了したことを証明するもの)が必要です。
  2. 履歴限定解除を行う場合、船員手帳等により乗船履歴を確認します。

ご不明な点ご依頼等、詳しくはお近くの海事代理士にお問い合わせください。

 海技免状を紛失またはき損したときは、海技免状の再交付申請をすることができます。
 紛失した場合、本人であることが確認できる書類(運転免許証、小型船舶操縦免許証、船員手帳等)および、顛末書(理由書)を提出する必要があります。
 き損した場合、そのき損した海技免状を提出、返納しなければなりません。
ご不明な点ご依頼等、詳しくはお近くの海事代理士にお問い合わせください。

 本籍の都道府県名、若しくは氏名に変更を生じたとき、または海技免状の記載事項に誤りがあることを発見したときは、遅滞なく、訂正申請しなければなりません。その際、訂正事項が確認できるもの(戸籍記載事項証明書または本籍記載のある住民票等)が必要になります。
ご不明な点ご依頼等、詳しくはお近くの海事代理士にお問い合わせください。

小型船舶操縦士(小型)

小型船舶操縦免許の制度
 小型船舶(総トン数20トン未満)に船長として乗船するためには、モーターボート等には一級または二級の小型船舶操縦免許証を、水上オートバイ等には特殊小型船舶操縦免許証を受有していなければなりません。

一級小型船舶操縦士 モーターボートで操縦出来る範囲は無制限
ただし、沿海区域の外側80海里以遠の海域を航行する場合は、六級海技士(機関)以上の資格を有する者を乗り組ませなければならない。
二級小型船舶操縦士 モーターボートで、海岸から5海里まで及び平水区域の海域を操縦できる。18歳未満の者は操縦できるボートの大きさが5トン未満に限定される。
二級小型船舶操縦士
(湖川小出力限定)
湖や川だけで利用する総トン数5トン未満、出力15kW未満の船を操縦できる。
特殊小型船舶操縦士 水上オートバイを操縦するために必要な免許。沿岸から2海里までの水域を操縦できる。

*特定操縦免許 旅客船や遊漁船など人の運送をする小型船舶の船長になろうとする者は、小型船舶操縦士試験の合格に加えて、小型船舶操縦者としての業務を行うに当たり必要となる海難発生時における措置、救命設備等に関する「小型旅客安全講習」の受講が必要です。

 小型船舶操縦士の試験は(一財)日本海洋レジャー安全・振興協会が実施しています。
 試験の種類は身体検査、学科試験、実技試験です。
 身体検査に合格しないと学科試験及び実技試験を受験することができません。

受験年齢

試験の種類 受験資格 免許取得資格
一級 17歳9か月 18歳以上
二級 15歳9か月 16歳以上
特殊 15歳9か月 16歳以上

 試験申請から合格後の免許申請まで1か月以上の期間とその間の複雑な手続きがありますので、ご不明な点ご依頼等、詳しくはお近くの海事代理士にお問い合わせください。

 操縦試験に合格したら、合格後1年以内に操縦免許証の免許申請をしなければなりません。申請手続きの受付窓口は最寄りの運輸局等で必要書類を提出して申請します。

 操縦免許証の有効期間は5年間です。
 更新は有効期間満了日の1年前から手続きすることができます。
 住所氏名等記載事項に変更があった場合は、住民票等証明する書類が必要です。
 更新するためには、身体検査基準を満たしていることと、次のいずれか1つの更新要件を満たすことが必要です。

  1. 有効期間満了日以前5年以内に、船長として小型船舶に乗船した履歴が一か月以上あることの証明
  2. 乗船履歴を有する者と同等以上の業務経験を有していること
  3. 更新講習の課程を修了していること

乗船履歴の確認や講習の申し込み、手続きの依頼などは、お近くの海事代理士にお問い合わせください。

 操縦免許証の有効期間(5年間)を経過すると操縦免許証は失効して、以降小型船舶に船長として乗船することができません。再び小型船舶の船長として乗船するためには、失効再交付講習を受講して、再交付申請を行う必要があります。免許証は再交付された日から5年間が有効期間となります。
講習の申し込み、手続きの依頼などは、お近くの海事代理士にお問い合わせください。

 操縦免許証を紛失またはき損したときは、操縦免許証の再交付申請をすることができます。紛失した場合、本人であることが確認できる書類(運転免許証、小型船舶操縦免許証、船員手帳等)および、顛末書(理由書)を提出する必要があります。
 き損した場合、そのき損した海技免状を提出、返納しなければなりません。
不明な点、手続きの依頼などは、お近くの海事代理士にお問い合わせください。

 住所、氏名、本籍の都道府県名等に変更を生じたとき、または操縦免許証の記載事項に誤りがあることを発見したときは、遅滞なく、訂正申請しなければなりません。その際、訂正事項が確認できるもの(戸籍記載事項証明書または本籍記載のある住民票等)が必要になります。
不明な点、手続きの依頼などは、お近くの海事代理士にお問い合わせください。

 操縦免許証には、障害等により身体機能等に制限がある場合、設備等の限定を付されます。設備等の限定を付された操縦免許証を受有する者が、当該限定の解除を希望するときは、小型船舶操縦士試験機関=(一財)日本海洋レジャー安全・振興協会の「身体検査相談コーナー」に、まず問合せください。
 また、令和2年7月1日より免許制度が改正され、特定漁船制度が始まったことにより、原則、全ての一級小型船舶操縦士及び二級小型船舶操縦士に特定漁船能力限定が付されております。当該能力限定を解除するためには、特定漁船講習の課程を修了しなければなりません。
不明な点、手続きの依頼などは、お近くの海事代理士にお問い合わせください。